過去の日記に彼がしたためた最後の想い。
それくらい叶えてあげないといけないね。 それくらい叶えようともがいても、罰はあたらないかい。 「愛せるときに、愛したい人を、精一杯愛してあげてください。」 あなたは、あなたたちは、そうできていますか。 あとで悔やまないように、いつでも大事にできていますか。 いつ無くなるかわからない幸せを当たり前と思うな。 すねることはあっても、いつでも大事に想え。 そういや、近いうちに引越します。 都内の端っこのほうに。 本当ならとっくに一人暮らしでもしていたかもしれない。 もうあれから一年経とうとしてるのね。 引越しが終わるころには一年経っている。 まさかね、カレンダーが変わる頃にこんなことになるなんてね。 ほんと、人生何があるかわからない。 奇しくも、あの日々で覚えたことがここで役立つ。 何がいるのか、何があればいいのか、全部知ってる。 広いけど、その全ては使いきらなかったあの部屋で。 私から生まれていた笑顔は、もう二度と生まれない。 あの日々で生まれなかった笑顔が生まれたから、それはおいてく。 来年の頭は幸せに過ごさせてもらっていいのかしら。 今年の始まりはあまりに惨かったから。 何をしてたかも覚えてない。どこにも出かけていない。 無気力で外に出られないなんて、知らなくてよかったのに。 来年の頭は暖かいからだで過ごせるのかしら。 今年の始めはあまりにも冷え切っていたから。 誰にも触れられなかった。折角手が二本もあるのに。 ひとがこんなに恋しいだなんて、覚えなくてよかったのに。 淋しいとか、切ないとか、苦しいとか、会いたいとか。 自然とくちから漏れてくるほどだった。 今はもうそんなことはない。 代わりにでるのは、あまりにも陳腐な言葉だけ。 それでいいのよね。 それがいいのよね。 自然とくちから漏れるのは、幼い言葉だけが仕合わせ。 ねぇ、愛してる。 幸せにしてね。 私も精一杯、愛せるときに愛すから。 「愛せるときに、愛したい人を、精一杯愛してあげてください。」 「愛せるときに、愛したい人たちを、精一杯愛させてください。」 あと私は欲張りだから、精一杯愛してくださいっ。 満ち足りてる部分は満ち足りてて どうしようもない部分はすかすかで ひらいちゃった部分は埋められないようで 相手は思ってないかもしれない。考えてないかもしれない。 そこが問題なんじゃなくて、私自身がそう感じたことが問題。 間に広がったのは彼らにとっては希望の道。 私にとっては、ただのバリケード。 近づける。近づけるけどひとりじゃ壊せない。 壁のこちらがわでうらめしくみているだけ。 そんなのイヤだから、もう道を見つめないでいようかしら。 こんなこと考えてると、相談してねとか、話しかけてねとか。 そういう風に言ってくれるひとのために道があるのよ。 そして私は、あなたたちに誂えた道を見て唇を噛んでいるのよ。 面倒だと思うのと、交わりたいと思うのと、見事に混ざって重なって。 人見知りな私は知らないひとたちに囲まれて笑う君を見て。 あぁ、これは要らないなと感じるのよ。 君たちが知ってる彼と彼らが知ってる君と。 それらはどれひとつとして私と手を繋いでくれない。 いいんだよね。 道を分けたのはきっとあたし自身。 あたしにだって別の道があるんだ。 しゃんとせなあかんね。
by riitirou
| 2006-12-20 00:38
| 心象
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